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熊本銭湯の本棚『熊谷守一』

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『へたも絵のうち・熊谷守一』。心も身体もほぐれる1冊です。

 

画家の表現はどうしてこんなに気持ちにぴったりくるのでしょう。

 

「一般的に、ことばというのはものを正確に伝えることはできません。絵なら、1本の線でも1つの色でも、描いてしまえばそれで決まってしまいます。青色はだれが見ても青色です。しかしことばの文章となると「青」と書いても、どんな感じの青か正確にはわからない。いくらくわしく説明してもだめです。私は、ほんとうは文章というものは信用していません。」

 

「ずいぶん年をとったアイヌが2人、小舟をこいでいる情景を見たときは、ああいい風景だなとつくづく感心しました。背中をかがめて、ゆっくりゆっくり舟をこいでいる。世の中に神様というものがいるとすれば、あんな姿をしているのだな、と思って見とれたことでした。私は、そのころも今も、あごをつき出してそっくり返る姿勢はどうも好きになれない。反対に、老アイヌのああいう姿は、いくら見てもあきません。」

 

何かの折に、この本の1文1文を思い出し、読み返し、日々暮らしている熊本銭湯です。

 

熊谷守一の作品は  豊島区立 熊谷守一美術館

愛知県美術館 木村定三コレクション  で堪能しました。芸術の秋いかがですか?

 

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